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COMMENT /MEDIA
ピーター・バラカン
Peter Barakan
ここ数年ぼくにとって日本で最も好きなバンドは民謡クルセイダーズです。日本独自の音楽をここまでダイナミックに聞かせるという型破りな姿勢に唸ります。
島 晃一
Koichi Shima
各地の祭りを映すカメラは、人々が踊る姿と共に、手拍子や音を鳴らす下駄にもフォーカスする。大きく鳴り響くクラップ音によって、民謡がだんだんとグルーヴィーなダンスミュージックのように聞こえてくるのだ。
もちろん主役は民謡クルセイダーズなのだが、民謡や伝統音楽の過去と現在、その広がりにも想像をめぐらせる映画だと言えるだろう。
二木 信
Shin Futatsugi
日本の民謡を、クンビアを始めとするラテン音楽、アフロやレゲエなどと混合して唯一無二のダンス・ミュージックを生み出す民クルの魅力に「民謡とは何か」を探りながら迫り、さらにこのバンドが国境を越えて世界中のひとびとを魅了していくダイナミズムを見事に捉えているからだ。つまり、民クルをグローバルな音楽史の中に位置づけようとする知的な試みと、ロード・ムーヴィーの躍動感を両立させている。
村山 匡一郎
Kyouichirou Mrayama
民謡というと地域に根付いた一種の労働歌を中心とした伝統的な民衆歌と思い込んでいたが、このドキュメンタリーを見て、民謡の新しい魅力が感じられて驚いた。
佐々木 俊尚
Toshinao Sasaki
民謡を古くさい音楽として捉えるのではなく、「だれもがノリノリで踊れる最高の音楽」へと展開していく構成が、実にスリリングである。
またひとつ、素晴らしい音楽ドキュメンタリーが日本から登場してきたことを喜びたい。
MUSIC MAGAZINE 2023年10月号
松永 良平
Ryouhei Matunaga
民謡の成り立ちは日常にあり、民謡を「戻す場所」は自分自身。
そうでなければ、この映画で起きているような数々の奇跡は起きない。
TRAILER
STORY
民謡とは、民衆の生活の中から自然発生的に生まれ、伝承されてきた音楽である。
失われた音楽「日本民謡」をもう一度「民の歌」として蘇らせるため、クンビア、ラテン、アフロ、レゲエなど様々なダンス・ミュージックとの融合を試みるバンド、民謡クルセイダーズに5年間密着したドキュメンタリー!
民謡は死んだのか!?民謡クルセイダーズは、東京・福生を拠点に活動するバンドで、日本各地の民謡にラテンやアフロビートをミックスして独自のアレンジを加えている。2019年にはワールドツアーを行い、南米コロンビア、ヨーロッパ各国、オーストラリア、ニュージーランドを回った。本作の撮影は2017年から始まり、2019年のワールドツアーにも同行し、彼らが民謡を再構築して現代のオーディエンスに「民謡を取り戻す」過程に密着している。コロンビアでは現地のバンド Frente cumbiero とセッションし、民謡のさらなるアップデートを模索する。また、元ちとせや久保田麻琴などの著名なミュージシャンや、ピーター・バラカンや岸野雄一などの評論家へのインタビューを通して、「民謡とは何か」を探っていく。
CAST
民謡クルセイダース
MINYO CRUSADERS
かつて戦後間もない頃、偉大なる先達――東京キューバンボーイズやノーチェクバーナが大志を抱き試みた日本民謡とラテンリズムの融合を21世紀に再生させる民謡クルセイダーズ。
東京西部、米軍横田基地のある街、福生在住のギタリスト田中克海と民謡歌手フレディ塚本の二人を中心に2011年に結成。失われた音楽「日本民謡」をもう一度「民の歌」として蘇らせるため、クンビア、ラテン、アフロ、レゲエなど様々なダンス・ミュージックとの融合を試み、2017年にファースト・アルバム『Echoes of Japan』をリリース。ピーター・バラカン、ライ・クーダーなど各方面で絶賛され、人気フェス出演を果たす。
ピーター・バラカン
PETER BARAKAN
1951年ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科を卒業後、1974年に音楽出版社の著作権業務に就くため来日。現在フリーのブロードキャスターとして活動、「バラカン・ビート」(インターFM)、「ウィークエンド・サンシャイン」(NHK-FM)、「ライフスタイル・ミュージアム」(東京FM)、「ジャパノロジー・プラス」(NHK BS1)などを担当。著書に『ピーター・バラカン式英語発音ルール』(駒草出版)、『Taking Stock どうしても手放せない21世紀の愛聴盤』(駒草出版)、『ロックの英詞を読む〜世界を変える歌』(集英社インターナショナル)、『わが青春のサウンドトラック』(光文社文庫)、『ピーター・バラカン音楽日記』(集英社インターナショナル)、『魂(ソウル)のゆくえ』(アルテスパブリッシング)、『ラジオのこちら側』(岩波新書、電子書籍だけ)、『ぼくが愛するロック 名盤240』(講談社+α文庫、、電子書籍だけ)などがある。
2014年から小規模の都市型音楽フェスティヴァルLive Magic(https://www.livemagic.jp/ )、そして2021年からPeter Barakan’s Music Film Festival (https://pbmff.jp/) のキュレイターを務める。
ウェブサイトは https://peterbarakan.net/
フレンテ・クンビエーロ
FRENTE CUMBIERO
先住民、アフリカンとヨーロピアンの音楽文化を混ぜ込む南米を代表するルーツミュージック「クンビア」。オンダトロピカ、民謡クンビエロ…クンビアをキーワードにコロンビアの首都ボゴタから次々と話題作を手掛けるマリオ・ガレアーノのフラグシップ・プロジェクトで「コロンビアでもっとも先進的かつラディカルなバンド」とも名高いフレンテ・クンビエロ。2011年にダブのレジェンド、マッド・プロフェッサーを迎えた『FRENTE CUMBIERO meets MAD PROFESSOR』をリリースして世界に衝撃を与える。2018年フジロックを皮切りとした初来日ツアーは、コロンビア音楽に深く根ざしつつも、ラテンの枠を超えたカッティングエッジなダンス・サウンドでフロアは熱狂の渦に。その後も10年ぶりの新作『CERA PERDIDA』リリースや、民謡クルセイダーズとのコラボ『MINYO CUMBIERO from Tokyo to Bogota』などでも日本のファンを楽しませ続けている。
久保田 麻琴
KUBOTA MAKOTO
裸のラリ-ズ他数々のバンドで演奏、海外での演奏や録音経験も豊富。浜田真理子など多くのアーティストのプロデュースをてがけ、阿波踊りや岐阜県郡上の盆踊りなど日本の音楽の録音/CD制作も行う。 細野晴臣やライ・クーダー、レボン・ヘルムとも作品で共演。宮古島の古謡を題材とした映画 Sketches of Myahk の原案出演、スイス ロカルノ国際映画祭ドキュメンタリー部門に正式招待、国内では3万人の観客動員。大友克弘の短編アニメ、火要鎮の音楽担当した他、2023年AKIRAセル画展の音楽担当。
元ちとせ
HAJIME CHITOSE
鹿児島県奄美大島出身。2002年に「ワダツミの木」で鮮烈なデビューを飾り、以来、ボーカリストとしてさまざまなステージでその唯一無二の歌声と存在感を示している。2015年、平和への思いを込めたカバーアルバム『平和元年』をリリースし、同作にて第57回日本レコード大賞企画賞を受賞。
2022年2月、メジャーデビュー20周年を迎え、7月にオリジナルアルバムとしては実に14年ぶりとなる5thアルバム『虹の麓』をリリース。2023年11月にはベストアルバム『語り継ぐこと』に坂本龍一プロデュースの反戦歌「死んだ女の子」を加え、全曲リマスタリングしたニューエディション(CD)とアナログ盤のリリースが決定している。生まれ故郷であり現在も生活の拠点としている奄美大島が2021年に世界自然遺産への登録を果たし、奄美大島独自の文化「シマ唄」を次世代に受け継いでいく語り部の一人としても注目を集める。
オフィシャルサイト:https://www.office-augusta.com/hajime/
岸野 雄一
KISINO YUICHI
音楽家、オーガナイザー、著述家など、多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディスト(勉強家)を名乗る。東京藝術大学大学院映像専攻にて「映画におけるサウンド・デザイン」の教鞭を執り、美学校・音楽学科では主任を務める。アーティストとして、音楽劇『正しい数の数え方』が文化庁第19回メディア芸術祭エンターテインメント部門で大賞を受賞。第68回さっぽろ雪まつり+札幌国際芸術祭2017の公式プログラムとして「トット商店街(©︎黒柳徹子・岸野雄一)」を総合プロデュース、芸術監督を務める。DJとしてヨーロッパ各国や台湾、韓国、シンガポール、マレーシアなどを巡業し、アジア圏の音楽文化ネットワーク作りを手掛けている。音楽レーベル運営として“Out One Disc”を主宰し、OORUTAICHIやGangpol&Mit、海藻姉妹など個性豊かなアーティストをプロデュース。オーガナイザーとしてはSparks、Max Tundraなどの海外アーティストを招聘してきた。近年では、盆踊りをアップデートするプロジェクト「桜橋和をどり」「高円寺八幡神社大盆踊り会」「札幌市北海盆踊り」「島原大半島祭」「金沢石引ゲバゲバ盆踊り」「名古屋城夏祭り」など、地域に根ざした新しいお祭りを展開。コンビニにDJブースを持ち込んだ『レコードコンビニ』や、墨田区内の銭湯を舞台としたDJイベントなど、常に革新的な『場』を創造している。
大石 始
OISHI HAJIME
文筆家・選曲家。旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」主宰。これまでの主な著書に『ニッポン大音頭時代』(河出書房新社)、『ニッポンのマツリズム』(アルテスパブリッシング)、『奥東京人に会いに行く』(晶文社)、『盆踊りの戦後史』(筑摩書房)など。2022年11月には新刊『南洋のソングライン 幻の屋久島古謡を追って』がキルティブックスから刊行された。現在の連載は月刊「東京人」の「まちの記憶、音の風景」など。
俚謡山脈
Riyo Mountains
世界各国の音楽がプレイされるDJ パーティ「Soi48」内で活動する日本民謡を愛する2人組DJユニット。日本各地の民謡を収集/リサーチし、DJプレイしたりCDやレコードの再発を手掛けたりしています。MIXシリーズ「俚謡山脈 MIX VOL.1」~「VOL.5」CD/レコード監修、「田中重雄宮司/弓神楽」、「境石投げ踊り保存会/境石投げ踊り」、「木崎音頭保存会/クラーク内藤/木崎音頭」、「葛西おしゃらく保存会、他/おしゃらく」、ロンドンのインターネットラジオNTS LIVEに日本民謡だけで構成されたMIXを提供、農民ダイナマイト(山梨県)、大和町八幡神社大盆踊り会(東京)など各地のパーティーにDJで参加
NHKラジオ第一放送「らじるラボ」出演、NHK仙台放送局 「民謡をどうぞ」出演、TBSラジオ 「アフター6ジャンクション」出演、BOIDマガジン連載「俚謡山脈の民謡を訪ねて」、NHK FM「民謡を訪ねてMIXED BY DJ俚謡山脈」パーソナリティ
見砂和照と東京キューバンボーイズ
Kazuaki Misago & Tokyo Cuban Boys
初代リーダー、故見砂直照(みさご・ただあき)が1949年に結成。戦後の日本のラテン音楽界、ポピュラー界に多大なる影響を与え、30数年に渡り日本のラテン・ビッグ・バンドの王座に君臨した名門バンド。日本のラテン音楽の普及はもとより、メキシコ、キューバ、ペルー、パナマの中南米やソビエト公演等の長期海外公演、文化庁主催の芸術祭にビッグバンドとして初参加するなど、未曾有な活動と功績は1976年紫綬褒章、1982年キューバ共和国より文化勲章、1983年日本政府より勲四等旭日小綬章を授与される。通算300枚以上のアルバムを発表という金字塔を達成したが、1980年に惜しまれつつその輝かしい活動に幕を閉じた。そして10年後に見砂直照も逝去する。解散後も熱狂的な“キューバン・ファン”の声援を後押しに、子息である見砂和照(みさご・かずあき)が再結成を正式に表明、”新生”見砂和照と東京キューバンボーイズが誕生した。2024年結成75周年を迎える。
FILM FESTIVAL
2021
スペイン/バルセロナ
Spain/Barcelona
In-Edit film festival Barcelona
(60min. version)
2022
日本/東京
Japan/Tokyo
Peter barakan's Music Film Festival
(83min. version)
2023
カナダ/トロント
Canada/Toronto
Hot Docs Ted Rodger Cinema
(83min. version)
2023
日本/山形
Japan/Yamagata
山形国際ドキュメンタリー映画祭